更新情報08:『クジラの彼』 著:有川浩 [ライトノベル]
【紹介者:紗月様】
本は読みたいけれど、まとまった時間が取れない。
本を読もうと思っても、面白くない本を選んでしまうのは嫌だ。
短時間で、ぐいぐい引き込まれて読めて、読後感の気持ち良い本と出合いたい。
もしもあなたが、そんな風に思っていて、その上ヤマトファンなら。
もうひとつおまけに、あなたの過去に胸がきゅんとするような恋に落ちた、乙女の頃があったなら。
『クジラの彼』を読んでみませんか。
►
『クジラの彼』
著:有川 浩 角川書店 2007/02 245p ISBN978-4048737432
文庫版はこちら。
クジラの彼 (角川文庫)
誰かのお勧め本を読む。
そんなやり方で本を選び始めて約1年。大きなハズレがなくなったので、こういう紹介の仕方をさせていただきます。
「○○さんが面白いと言っていた」という要素も、読書に味を足してくれるでしょう。
そういう観点からすると、今回のブックフェアは、たいへん美味しい企画だと思います。
さて、
『クジラの彼』。
最初にタイトルを見たとき、
『クジラの波』だと勘違いしたんです。
だって、そっちの方がイメージぴったりでしょう? クジラの彼だなんて、意味不明~(笑)。
でもね、クジラの彼、で正しいんですよ。だって彼はクジラのような潜水艦乗りなんですから。
この本には6本の短編が収蔵されています。そのどれもが、
国防している人たちの恋愛ストーリーなんです。ね? ヤマトファンなら、興味あるでしょ?
そのトップバッターが、
潜水艦乗りを恋人に持つ彼女のお話です。
私たちが乙女だった頃(笑)、携帯電話もメールもなくて、電話の内容を家族に聞かれるのがすごく嫌でした。わざわざ10円玉を握り締めて公衆電話にこもったこと、ありませんか?
夜の電話だって遅い時間は自粛したし、家族が電話に出て取り次いでもらうのって、すごく緊張したものです。
いつでもすぐに携帯で連絡が取れる。今はいい時代ですよね(笑)。
でも、24時間でも連絡が取れるツールなんていうものがあるから、逆に連絡がない時の不安というのは、昔より大きいんじゃないかと思います。
普段から軍事機密に縛られている自衛官。潜水艦は特に、長期航海に行っちゃうし、潜水しちゃったらアンテナは全然立たないし、音信不通がずっと続くんですよ。
そりゃあね、いくら相手のことが好きでも、相手に好かれていると思っていても、何も約束もないまま待つなんて、不安でしょうよ。
遠距離恋愛は、不安定なもの。
だとすれば、潜水艦乗りの恋愛って、絶望的だと思いませんか。
お互いの気持ちを確かめようがなく、疑心暗鬼になりやすい。
離れている間に、新しい出会いがあったり、連絡がないまま自然消滅しちゃったり。
けれども、それを乗り越える愛だってあるんです。
というわけで、
遠距離恋愛7年(しかも無約束、つーか片思いだった・笑)の末に結婚した紗月がお勧めする一冊を、どうぞ読んでみてください。
読んで、この本に登場するオンナノコたちが気に入ったなら、その馴れ初めが書かれている
『海の底』とか
『空の中』も読まれてはいかがでしょう。
こちらは長編となっていますから、読み応えありますよ。
秋の夜長に、乙女に戻ったつもりでお読みください。
文中、ご紹介のあった本はこちら。
『空の中』
著:有川浩 メディアワークス 2004/10/30 482p ISBN978-4840228244
文庫版はこちら。
空の中 (角川文庫)
『海の底』
著:有川浩 メディアワークス 2005/06 451p ISBN978-4840230926
文庫版はこちら。
海の底 (角川文庫)
[1回]
PR